■ アシスタントというお仕事(2)
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これからが気を使う場面である


エスカレーターから日本人とおぼしき集団が降りてくると、 アシスタントはそれが自分のツアーなのかどうかじっと 観察する。人数・旅行会社名・添乗員の性別などで判断 出来る事もあるが、同じ会社の同じ商品名のツアーがいくつも あると(H社のTツアーなど。おっとこれは内輪ネタ) 添乗員さんが近寄ってきて、名札の名前が見えるまでわからない。 アシスタントの名前を大声で呼びながら来る添乗員さんもいるが、 大抵アシスタントの方が「〜さんですか?」と聞きに行く。

自分のパートナーの添乗員さんに出会うと軽く御挨拶。 まず荷物の個数を確認して、それを大声でポーターに伝える。 ここでしくじると、ポーターに後回しにされてしまうので、 「〜個だから、お願い!!!」としっかり頼んでおかねばならない。

さて、荷物がそろうまで移動できないのだけど、ここでお客さんに お手洗いに行ってもらうかどうか、考えなければならない。
荷物がさっさとそろいそうなら、税関通過後に行ってもらうように しないと、荷物をさっさとバスに積みたいポーターがイライラ しはじめる。かといって荷物がなかなかそろいそうもないのなら 先にお手洗いに行ってもらった方がスムーズにいく。
このあたりの事をわかっている添乗員さんなら良いけど、 エスカレーターから降りたとたんお客さんをお手洗いに行かせて しまう人もいる。そんな時、荷物を運びたいポーターを 「お願い!まだ運ばないで、皆がお手洗いから帰ってくるまで 待っていて!!!」なだめるのはアシスタントの役目なのだ (そして待っている間、ポーターの罵詈雑言を聞く羽目に)。

荷物がそろったらお客さんに確認してもらう。この時「ロスバケ」 (荷物行方不明)があると、もう最悪だ。またこれがヒースロー やパリ経由だとよくあるんだ。

荷物が全部あったら、ポーターがワゴンにのせる。もう、この段階に なったらポーターに荷物を任せて、私達は税関を通過する (というかそうできるようにアシスタントが税関の警察官と 話をつけなきゃなんないんだな)。

税関を無事通過したら、お客さんにお手洗いと両替の案内をする。
そして添乗員さんが望むなら、ちょっとしたお買い物(水など) が出来る場所も示す。なんせお客さんは「ホテルでチップを払わなきゃ!」 という強迫観念に取らわれているので、小銭をてにいれようと 躍起になるのである。小銭が無い人はここで水などを買ってくずすのだ。

この隙に、アシスタントはバスの確認に行かなければならない。
「え?バスの確認なんて、ツアーに会う前にやっとくもんでしょ!」
という添乗員さんもいるのだけど、それはキミ、実情がわかって ないのだよ。バス運転手は駐車料金を一時自分で立て替えなくては ならない。一時でも手元からお金が離れて行くのはイヤ〜なもんだ。 しかもツアーのたびに立て替えてたんじゃ、あっという間に手持ちの お金がなくなってしまう。駐車場は30分以内なら無料だ。だから、 運転手は絶対に時間ギリギリ、飛行機が到着して30分ぐらいしないと 絶対に駐車場に現れないのだ。だから、事前確認なんてムリ。

同じバス会社から何台もバスが来ているので、自分のバスが 見つかるまで延々と、「XX社のツアーのドライバーさんいますか?」 と聞きまわらなければならない。この時!ドライバーからの ナンパの嵐がくるのである。「結婚してくれ〜!」とか。
「ドイツでそんなことあるの!」と、イメージがわかないかも しれないけど、実は空港はナンパ天国なのである。ドライバー、 ポーター、パイロット、案内係、はては警察官までがナンパ してくるのだ(私だけがナンパされるわけじゃないよ。50代の 女性だってされるんだよ)。

バスが見つかったら、ポーターが荷物を運んでくるのをとっ捕まえて、 バスに荷物を積んでもらう。ここでまた戦争がある。荷物を 積んでもらう順番もポーターに交渉して勝ち取らなければ ならないのだ。ここでまたポーターとドライバーがよく喧嘩 する・・・些細なことで争わなくてもいいのになあ。

荷物を積んだら、お客さんを呼びに行って、バスに乗り込んでもらう。
この時、多くの添乗員さんが「事前」にドライバーの名前を「当然のように」 聞きたがる。そんなん、本人に直接きいてくれよ〜!って 私は思うのだけど。だって、荷物を積んでる時ドライバーにいきなり 私が名前を尋ねるのって変じゃない???ほんの数分しか一緒に 仕事しないし、気があるように誤解される事もあるんだよ。

こうしてツアーがバスに乗り込むと、あとは添乗員さんから 「チップ」をもらうだけ。チップをもらった瞬間にお仕事は 終わりになる。添乗員さんが私にチップをくれるまで、ドライバーには 発車しないよう、よぉ〜く言い含めてあるので、「うっかり忘れ」 はあまりない。

チップをもらったら、即効帰りたい・・・のを我慢して、 ニコニコ顔で、バスがいなくなるまで手を振り振り

サヨーナラー

これがスタンダードな「エアポートオンリー」の仕事である。