M国人におそわれる 3





なめくさってからに!このままでは済まさん!

呆然自失の状態から立ち直ると、 沸き上がってくるのはただ抑えようのない怒りであった。 私の人権を無視するかのような振る舞い。
人を自分の欲望の対象としかみていないようなあの態度!
でていけ、といったのにとったのはあの行為!
それ相応の落とし前はつけさせてもらうぜ!

翌日早速私は国際課にチクリにいった。さも恐ろしかったように (実際恐ろしかったのだけど) ふるえながら訴えたのだ。 相談係の人は怒りもあらわに、
「なんですって!そんなことがあっていいわけないわ! わかりました。ボスに報告します。それなりの措置がとられるはずです。」
と言ってくれた。
さあ、これだけでは済まさないぞ!日本側からも圧力をかけてもらわなければ。 そう思って日本のSp.教授に電話をかけた。
「あーた!そぉれは大変ですなぁ!わかりました。 ドイツの国際課のボスに電話をして、対策をねってもらいましょう。」
日本ではあれだけ恐ろしかった鬼教授も、 こんな時はとっても頼りになる。

さて、次は同じ階の住人に訴えなければ!
私は一人一人を訪ね、昨晩あったことを説明し、 今度もし何かあった時は助けてくれるようお願いした。 皆ものすごく心配してくれ、 防犯スプレーまでくれた子もいて、なんだかちょっとうれしかった。

午後には国際課から、女の人が訪ねてきてくれ、 こんな人のすんでいる階にすみたくなければ、 国際課が別の階に新たに部屋を確保してくれる、といってくれた。 勿論私はお願いした。
ここまでやって私はやっと落ち着いたので、 愚痴をきいてもらうため、一つ上の階にすんでいる、 みかちゃん(仮名)の所へ行くことにした。 みかちゃんのお父さんは米国人だ。

みかちゃんは、「可哀想に」といってくれたが、 「でもね、たこちゃんにも隙があったんだよ。」ともいった。 言われた時はちょっとショックだったけど、 これをかいている今なら彼女のいいたかったことは分かる。
しかしそれよりも恐ろしい事を彼女は私に告げたのだ。
「たこちゃん、あのM国人ね、ちょっと危ない人なのヨ。 スッゴク宗教にのめりこんでいて、 同じM 国人にも害をおよぼしているの。 こないだなんて、友達の車に火をつけて爆破したんだって!たこちゃんも気をつけてね。 夜は私もたこちゃんの様子見にいくわ。」
ゲゲッ!そんな危ない奴なのか?
私は益々恐ろしくなってしまった。

翌々日、国際課のボス(女の人)から呼び出しがあった。 何か重要な用があるらしい。 部屋にいって椅子にこしかけるとボスのFrau. Bell(仮名)がやってきて言った。
「おお!たこ!何てことでしょう! 私達の大事な交換留学生がこんな目に逢うなんて! 折角のドイツ留学がこんなことで台無しになってはいけないわ! 私達にまかせてちょうだい! もう学生課にも連絡したし、女性人権協会にも報告したし、 裁判をおこします。一緒にそのM国人をドイツから追放しましょう! 貴方につける通訳ももう確保したし、あとは検事をみつけるだけよ! 大丈夫!絶対勝つから!」

ちょーーーっとまってくれい!裁判!?
真逆彼女がここまで過敏に反応するなんて!
ドイツ人女性のセクハラに対する反応を甘く考えすぎていたのだ。

たこパーニーック!!!








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