■ そもそも…
◆「留学日記」メールマガジンの御案内 ◆


よし!私はドイツへ留学しよう!


そう思ったのは大学に入学したての頃、桜の咲く季節であった。 そう思ったことに、特別深い理由があったわけではない。ただ、 大学案内をめくっていて、ドイツの大学との交換留学制度が目に 入ったからだ。直感的に思ってしまった。

これしかない!

もちろん突然そう思ったわけではない。下地はあったのだ。
我が家には昔から、ちょくちょく欧米からの客人がやってくることが 多かった。幼い頃の私には、彼らの日本人とはまったく異なった容貌が めずらしく、言葉もわからないのに、一生懸命話しかけたりしてつきまとった ものだ(相手にとっては迷惑だったかも)。
中学、高校に入ると、私のまわりでたくさんの人がアメリカに留学しだした。 留学からかえってきた子達をみると、以前にもまして生き生きし、とても 魅力的に感じる。だから、いつの頃からか「わたしも!」と思うように なっていたのだ。

だからといって、そう簡単に留学などできるものではなかった。なによりも 費用の問題がある。うちの両親が留学費用など出してくれるはずがない。でも、 あきらめることはできず、何か方法を探しているときに出会ったのが、この、 奨学金付きの交換留学制度だ。この制度を受けるには、選抜試験を突破しなければ ならない。英語圏はきっと、ライバルが多すぎて無理だろう。でもドイツ語なら? 英語以外で交換留学できる、欧米の国はドイツしかなかった(その当時。今は 他にも色々できたらしい)。そして、ドイツ語はほぼ全員が大学からのスタートだ! 今からがんばれば大丈夫!

私はすっかりその気になった。

こうして私は、前日まで、「やるなら美しいフランス語!ドイツ語なんて野暮ったい 言葉ならいたくなんかないわ!」と公言していたにもかかわらず、主張をあっさりかえて ドイツ語をがんばることになる。

そのときは、後にどんな日々が待ち受けているかなんて、予想もつかなかった・・・